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デッドヘッド

デッドヘッド(Dead Head)という言葉をご存知ですか?

なんとも恐ろしげなこの言葉ですが、航空業界では、デッドヘッドとは、航空会社のパイロットや客室乗務員が、業務中の移動のために、乗客として旅客機に搭乗することを指します。

レオナルド・ディカプリオ主演の2002年製作映画、「キャッチミー・イフ・ユーキャン」で、ディカプリオが演ずる詐欺師の男が、デッドヘッドのパイロットに成りすまして、飛行機にタダで搭乗してしまうというシーンがあったので、その映画を観た方は、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。
映画で描かれているのは、1960年代にアメリカで実在した天才詐欺師の物語。現在では、セキュリティーチェックも随分と厳しくなっていますので、あんな風に簡単にデッドヘッドクルーになりすまして、搭乗できてしまうということは、到底ありえないと思うのですが、映画に登場する客室乗務員の制服がとてもおしゃれだったり、パイロットを始め、医師や弁護士など様々な職業の人物になりすまし、周囲の人々を信じ込ませてしまう主人公が実に華麗で、一種のコメディ映画だったと記憶していました。しかし、今回これを機に、再度作品を観なおしてみたところ、自分では決して手に入れることのできない穏やかで満たされた家族愛への渇望や、主人公の純粋な両親に対する愛情、そして、そんな孤独な主人公と、主人公を追い詰めるFBI捜査官の深い友情の物語であったことがわかり、物語の後半では、思わず涙してしまう場面がありました。当時のファッションと共に内容も実におもしろかったので、とてもお勧めの映画です。

話が少しそれてしまいましたが、デッドヘッドへ話を戻します。
このデッドヘッド、SASでは、日本人客室乗務員としては、滅多にこの業務にアサインされることはないのですが、先日、元々このフライトに乗務予定の日本人客室乗務員二名が、その翌日からコペンハーゲンにて、機体やフライトオペレーション、医療知識等に関するテスト、及び、それに付随する訓練を受けることになっていたので、私ともう一人が翌日のコペンハーゲン―成田便に乗務するために、デッドヘッドとして、成田―コペンハーゲン便に搭乗することになりました。

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いつもは、業務中なので、窓の外の景色を眺める余裕も中々ないのですが、この日はフライト中の長い時間、ゆっくりと景色を楽しむことができました。

飛行機は、成田空港を離れ北西方向へ飛行し、順調に奥羽山脈上空を越えていきます。

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山頂には、まだ雪が残っていて、空の青、山並みの濃紺と雪の白さのコントラストがとても美しく、他のお客様も同じようにシャッターを切っている音が聞こえてきました。

こうして外の景色を眺めていると、この小さな窓から見下ろしている風景の中に、何百何十軒という数の家があって、その数と同じかそれ以上の数だけそこに暮らす人々がいて、そのひとりひとりが、それぞれに違った夢を抱いて毎日を過ごしているのだと思うと、世界って本当に広いんだなという、とてもシンプルな感想をしみじみと抱いてしまいます。

地図を眺めて自分で頭の中で想像していた光景とは違い、実際に目にする光景は、あまりにも立体的で美しく、こうして上空からの景色を楽しみながら、想像上の世界と、現実の世界とのギャップを埋めていくことができるのも、飛行機に乗ることの醍醐味のひとつなのだなと、心から思いました。

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